選書の場から気にかかる出版状況

http://www.pot.co.jp/gottani/archives/2004/08/23/sensho/
新刊書についての

発行される新刊書の中身は、これから基本図書となるだろうな、というような新刊が少ないと思います。

とか、

最近の新書はバランスある概説書としての新書というよりは、ある断片のところの異説を提示するタイプが多いと思うのです。

あたりの部分にはすごく同感。以前にアルバイトで、主な新書の昨年1年間に出版されたタイトルをひととおりチェックするという仕事をしたのですが、そのときの感覚では、最近創刊されたシリーズは言うに及ばず、岩波や中公といった老舗ですらそんな感じでした。

複本の問題に関しては、公共図書館において、リクエストと複本がどういう関係でどう処理されているかという実態を、正直言って知らないので、この文章を読んで、ぼんやり雰囲気が分かってきた段階です。作家側・図書館側(こう単純にくくるのもいかがなものかとは思いますが)の、どちらにも一分の理、ぐらいの考えしか、まだ持てません。
大学はというと、うちだけかもしれませんが、学生さんたちは遠慮がちで、リクエストなんて文字どおり数えるほど。近い将来、学生用図書の予算が増えるという話もあるので、そういうチャンスを生かすためにも、啓発活動をやっていかんならんと思っています。