鼻行類

鼻行類 (平凡社ライブラリー)鼻行類 : 新しく発見された哺乳類の構造と生活 / ハラルト・シュテュンプケ著 ; 日高敏隆, 羽田節子訳. ― 初版
東京 : 平凡社, 1999
152p ; 16cm. ― (平凡社ライブラリー ; 289)
原タイトル: Bau und Leben der Rhinogradentia ; 参考文献: p122-129
ISBN4-582-76289-1 ; 本体\800
(目録上の注意)「原タイトル」かどうかは情報源上に記載がないので、「別タイトル」としておくのが適当か。あと、博品社版、思索社版との関係も記述しておく必要があるか。

1941年、南太平洋ハイアイアイ群島で発見された、新しい哺乳類、鼻行類。それらは隔絶された環境のためか、いちじるしく特異な進化ぶりをとげていました。しかし、1957年に核実験によってハイアイアイ群島が水没し、鼻行類も絶滅したと考えられます。本書が鼻行類についての唯一まとまった研究書です。
この鼻行類ってやつを初めて知ったのが、大航海の2でした。画像はたしかコグママンモスハナアルキ(本書p111)だったように記憶してます。ごくごく短い解説文しか付いてませんでしたが、鼻で歩くなんて変な生き物だなぁくらいしか思ってませんでした。それより、発見物としてのランクが最低のDで、地球の裏側まで来て、こんな変な生き物なのに、Dかよという感じの方が強かったと思います。あれから十数年をへて、ようやく本書を手に取ることができました。
鼻行類たちの描写の気持ち悪さ、最高です。鼻が4個あるとか、鼻で歩くとかいった程度では、それほど変だと思えないレベルです。

  • 鼻からの分泌液が数センチ固まったものの上に鼻で立って一生動かないやつ
  • くの字型に曲がった鼻で後ろにジャンプするやつ
  • ながーいしっぽで直立して、花弁状の鼻で花に擬態して虫を待つやつ などなど

図版を眺めて想像力をふくらませてるだけで、なんだか夜も眠れなくなりそうです。誰か映像化してくんないかな。
それにしてもこの十年以上、何の疑いもなく信じてました。専門家がきちっと作った、遊び心の感じられるウソ。だまされたと分かっても、なんかうれしいものです。大航海2でランクDだったのも、ジョークですよというメッセージだったのかなぁ。ともあれ、ちゃんと読んでおいてよかった。
図書館では、この図書をどう分類するかということが問題になると思います。後日また書きます。