Carver's Dozen

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)

仕事でカーヴァー関連の文献をいくつか扱うことがあったのですが、自分ではまだ読んだことがなかったなと思ったので、とりあえず手ごろだったこの本を試してみました。
面白い、というのとはなんか違う、読んでいるうちにザワザワとくる作品が多いです。『大聖堂』や『でぶ』のように、変な奴になんだか分からないうちに、取り込まれていく感じのものがいい。オチらしいオチがなく、放り出されたような終わり方ですが、余韻があります。『ささやかだけれど、役に立つこと』も好きです。ずっと張りつめていたものが、ラストで一気に解きほぐされるというか、ふわっとするというか、救われたような気分にさせてくれます。