ザ・コーポレーション

企業社長、コンサルタント、学者、ジャーナリスト、作家などなど、実にいろんなひとが登場して、それぞれの立場から「企業」というものを語る、ドキュメンタリー映画です。生前のドラッカーまで出てる。
労働搾取、バイオパイラシー、環境汚染など、企業の悪を追及する立場から描かれていますが、なかで興味深いエピソードだったのが、ロイヤル・ダッチ・シェルの会長宅にデモ隊が押しかけたとき、会長夫婦がお茶をふるまった話。たしかに、企業の中にいる個人個人は、そんなに悪人ではないかもしれない。しかしひとたび企業の一員としてふるまうとき、個人の善良さなどは関係なくなってしまう。アイヒマンの話にも通じるものがあります。そのことを考えると、企業=かれら対一般市民=われわれという対立の構図は、かならずしも適切でないという感じがします。じゃあどうすればいいのか、って、まぁその答えは誰もまだよく分からないんだろうけど。