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角の三等分 (ちくま学芸文庫)

角の三等分 (ちくま学芸文庫)

おおもとの矢野先生の本に、一松先生の解説、亀井哲治郎氏のエッセイを合わせた本。矢野先生の本が出たのが昭和18年だそうですが、すごく分かりやすい。「定規とコンパスを使う」という操作が代数計算に変換できる、そこから、角を等分するという行為を方程式を解くという作業に落とし込む。なるほどーと目から鱗が落ちました。一松先生の解説もおもしろい。
このように不可能が証明されているにもかかわらず、間違った方法で「証明」したと主張するひとを「角の三等分家」というそうで、この本の原書が出た1984年当時にはまだ絶滅していなかったようですが、さすがに今となってはいないだろうなあ。他の問題に移っているかも。
ゼロからの論証

ゼロからの論証

虚構における「御都合主義」、進化論、そして人間原理。スケールは違えども、「選択」というキーワードによって貫かれています。この世界観はなかなか好き。後半では、論証に条件付き確率を多用しています。論理式はまだすぐにはピンと来ませんが、こうやって数式で書かれると腑に落ちます。