最近読んだ本

江利子と絶対

江利子と絶対

出てくるひとが、みんな病んでる(江利子のお姉さんはそうでもないか)。「だめ人間だもの」を小説にしたらこんな感じかなーとも思った。だめなりに、やれることをやって、でもどの話も救われない。まだ小田原くんは、強く生きていける可能性があるかもしれない。
歌の五番のことを「五題目」と書いているくだりがありましたが、この言い方は北陸地方独特のものです(→http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/kaganoto/hontokaine/06.shtml。作者は石川県出身)。他の部分は普通なのに、ここだけぽつんと方言が出てきて、なんかおかしかったです。
もうおうちへかえりましょう

もうおうちへかえりましょう

本職?の短歌についての文章が多いですが、私にぐっとくるのは、やはり自意識系の話。会場に早く着いてしまって、建物のまわりをくるくる回るなんて話を、公の出版物で堂々と書くなんて。私は、くるくる回る他に、いちど駅まで戻ってまた行くというパターンもあります。メインストリートは避けて(駅から会場に来るひととすれ違うのがこわいので)、裏道っぽいルートをたどって、これは初めての街を散策してるんだと言い聞かせながら。