図書及び図書館史

第3章 グーテンベルクのもたらしたもの。というタイトルがついていますが、内容は活版印刷術の発明から各国の絶対王政下における「国の図書館」の誕生まで。ゲスナーの『世界書誌』や、それに関連してシャルチエの「壁のない図書館」(『書物の秩序』第3章)やボルヘスの『バベルの図書館』への言及もあります。
印刷術の発明により出版物の量がおびただしく増えることで、大量の図書を扱う専門職としての司書が明確化してきたという時代です。人間の知識がとほうもなく広がっていって*1、「知識の総体」を把握することが困難になります。『世界書誌』などはそれへの挑戦といえますし、絶対王政下で始まった納本制度も、せめて自国のぶんだけでも全ての書物を集めたいという意思のあらわれでしょう。
関連して、現代における「知識の総体」への挑戦者がGoogleだという見方(id:garugon:20050319#20050319f1)はなるほどと思います。

*1:印刷術以前・ルネサンス以前は、聖書が世界のすべてだった