最近読んだ本

大航海がらみばっかり。

  • ヴァスコ・ダ・ガマ : 東洋の扉を開く / 生田滋著. ― 原書房, 1992
    • 大航海者の世界 / 増田義郎企画・監修というシリーズの中の1冊。装丁とか字の大きさとかから見て、中学生向けぐらいかなぁと思って手に取ったのですが、わりと史料に忠実に航海の過程を描いたもので、意外と読みごたえがありました。
    • ただ、ガマについては乗組員の航海記ぐらいしかまともな史料が残っていないらしく、インド艦隊の提督に抜擢される前に何をしていたかすら良く分かっていないそうです。いきおい、当時のほかの史料等をもとにした著者の推測で補っている部分もあります。
    • しかしそれでも、こうやって史実に近いものを読むと、ゲームではここをこう変えてるのかーみたいなのが分かってうれしいものです。
    • たとえば、インド洋を渡るときは風の季節に合わせて出航するとか、現実の航海術としては当然のことでも、ゲーム上でやるとなると、1年に1往復しかインドへ行けないことになり、プレイヤーにはストレスです。だから、旧作では向かい風でもまずまず航海できたし、今回は季節の概念もありません。どこまでシミュレートして、どこから切り捨てるか、みたいなことがゲームデザインのかなり重要な部分なんでしょう。
    • ちなみに、ダ・ガマというふうに、ダまでを含めた部分が姓。
  • マゼラン : 地球をひとつにした男 / 増田義郎著. ― 原書房, 1993
    • 上記が面白かったので、同じシリーズのこちらも読んでみました。史料をベースにしたスタイルは同じですが、こっちは航海記以外にも、王への書簡とか物資の取引書類とかが残っているらしく、より史実に密着した感じでした。
    • ポルトガルからイスパニアへ移るいきさつとか、出発までのいざこざとか、艦隊内での対立とか、リアル。ああいう大航海ってのがいかに難事業であったかというのが伝わってきます。道半ばで倒れたとはいえ、マゼランなしではなしえなかった航海かもなぁと思わされました。
    • ちなみに、スペイン語ではマガリャネス、ポルトガル語ではマガリャンエス
  • 女海賊大全 / ジョー・スタンリー編著 ; 竹内和世訳. ― 東洋書林, 2003
    • 女海賊というのがどういう存在であった(ある)か、というのを描き出すのはもちろんですが、同時に女海賊がどのように語られてきたのか、といった部分にも非常に注目しています。ジェンダーの視点っていうんでしょうか。
    • 著者は自分をフェミニストだと書いていました。
    • 出てきた海賊の中で、魅力的なのはやっぱりグレイス・オマリー(グラニュウェール)でしょう。アイルランドを根城に、エリザベス1世と互角に渡りあったという女傑。
    • ラピュタのドーラとか、このあたりもモデルにしてるのかなぁ。