ククーシュカ

第二次大戦時のフィンランドラップランド地方が舞台。それぞれ自軍を追われたフィンランド兵(ヴェイッコ)とロシア兵(イワン)、そしてサーミ人の未亡人(アンニ)の3人が、言葉が通じないままの共同生活を通して、しだいに心が通い合っていく、というようなお話。
当時フィンランドは、対ソ戦でドイツと協力していたため、映画中でもヴェイッコはイワンから「ファシスト」と呼ばれます。しかし、ヴェイッコのほうはどちらかというと平和主義者で(それが自軍を追われた理由でもある)、「トルストイ」とか「ヘミングウェイ」の名前を出して、自分がファシストではないことをアピールしようとしてます。あんまり通じてませんでしたが‥‥。
それでも、言葉の壁にめげずに、ヴェイッコのよくしゃべること。他にも、つながれた鎖を外そうと必死の努力を続けるところや、アンニの家のドラム缶などを使って簡易サウナを作るところなど、つねに前向きな感じに好感が持てました。
植生やなんかが、いかにも寒帯の風景で、なおかつ白夜のために昼夜問わず薄明るいため、画面はすごく単調ですが、その雰囲気がなかなか良かったです。