歴史的論文

今年は国連の定める世界物理年だそうです*1。100年前の1905年に、アインシュタインによって光電効果ブラウン運動特殊相対性理論といういずれも非常に重要な論文が立て続けに発表されたことを記念してということです。
その歴史的な3つの論文は、いずれもドイツの学術誌"Annalen der Physik. 4. Folge."の17巻に掲載されています*2。同誌は1巻がだいたい4か月分に相当しますから、ものすごい短期集中です。しかも全部単著。ちょっと信じられないですね。
図書館的にはやはり現物を見てみたい、ということで検索してみましたら、NACSIS-CAT上では本日時点で35館が所蔵しているようです。さいわい当館も所蔵していますので、休み時間に見にいってみました。
当館所蔵の同誌は、もとは陸軍の研究所が所蔵していたという来歴を持つちょっとしたいわくつきで、蔵書印も残っています。そして、前後の巻に比べてこの巻だけ製本が新しい。標題紙には昭和62年にクロスを交換したと書いてあります。紙もほとんど劣化していないので、脱酸処理もしたのでしょうか。やはり歴史的な巻ということで、きちんと保存しとこうということだったのでしょう。私みたいな野次馬も含めて、おおぜいが見るというのもありましょうし。
論文はもちろんドイツ語なんで読めませんでした。でも特殊相対性理論岩波文庫で日本語訳をむかーし読みました。訳者の解説がすごくわかりやすかった記憶があります。こっちは普通に書店で買えます(ISBN:4003393414)。
参考:Annalen der Physik誌に載ったアインシュタインの論文一覧(全文PDFあり)
http://www.physik.uni-augsburg.de/annalen/history/Einstein-in-AdP.htm

*1:http://www.wyp2005.jp/

*2:4. Folge は、「第4シリーズ」というほどの意味。