理系の就職本

理系就職・転職白書理系就職・転職白書 / 小林哲夫著. (丸善, 2005)
バイトのころにお世話になった方が本を出版され、私にも一部送ってくださいました。
タイトルのとおり、理系のための就職本です。就職本にはこれより詳しいものや実践的なものは山ほどあるとは思いますが、著者が前書きで書いているとおり、

これらは情報が文系にかたよっているため、理系学生にとっては有益な情報源や対策が少なく、どこか物足りなさを感じていたはずです。そこで本書では理系学生の就職についてさまざまな視点から内容を掘り下げて紹介しました。

ということです。理系でも要領のいい奴は、文系向けの就職本でも十分(もっといえば就職本なんか不要)なのですが、そうでない人間にとってはけっこう難しいんです。この本の表現を借りるなら、「理系科目が得意、文科系科目が苦手という理由で理工系学部に進学した人」みたいな層です。そういう奴はすでに負けているとかいう意見もありましょうが、それはそれとして現実問題、就職しなくちゃいけない。そのための入門書としてこの本はいいと思うのです。そういう人間にとっては、「理系向け」とうたってくれていることが、とっつきやすい材料のひとつです。
説明会・エントリーシート・筆記・面接といった一般的な就職活動の手順はもちろん、理系特有の職種である技術職や研究職についても、実例を豊富にまじえつつ書いてあります(このへんが従来の就職本では弱かった分野)。これを読んでから、もっと詳しい試験対策や面接対策などが必要なら(たぶん必要でしょう)、そちらの本を読めばよろしい。たぶん以前よりはとっつきやすくなっているはずです。
追記:理系からあえて文系をめざす例として、マスコミや商社等いくつか挙げられてますが、さすがに図書館員は入ってません(笑)。サブジェクトライブラリアンとかの文脈から言えば、入っていてもおかしくはないですが、まぁ、例が少なすぎるか時期尚早かといったところでしょうか。