漢籍セミナー

行ってきました。会場の学情には初めて行ったのですが、神保町からあんなに近いとは知りませんでした。昼飯はボンディでカレーを食べました。
それはさておき、セミナーはとても興味深い内容でした。業務に直接役立つというよりは、トピックス的に面白いという感じ。業務に役立てようと思えば、講習会から始めて基礎を固めないといけないでしょう。

  • 書写の際におこる誤り(錯簡・誤写)について。『論語』の顔淵篇と季氏篇を例に、簡の長さや注釈の書かれた時期を根拠に錯簡があったことを論証していく。「邪馬臺国」と「邪馬壹国」の問題なども。
  • 漢訳仏典のセット化(大蔵経一切経)の経緯について。かなりお話が難しかったですが、会場から質問も出てました。
  • 諱について。中国では本名を呼ぶことがタブーだったのは有名ですが、親や主君の名前は、あらゆる場所でその文字を使うことを避けなければならず、その結果いろんな工夫がなされていたという話。個人的にはこの話がいちばん面白かったです。
    • 秦の時代、始皇帝の名である「政」と同じ音を持つ「正」を使うことを避けるため、正月のことを「端月」と言った。
    • 唐代の李賀というひとは、たいへん優秀だったにもかかわらず、父親の名前が「晋粛」だったため、進士の試験を受けられなかった。(「晋」と「進」が同音)