使えるレファ本150選

使えるレファ本 150選 (ちくま新書)

使えるレファ本 150選 (ちくま新書)

レファ本」というのは、「読むため」ではなく「調べるため」・「引くため」の本のことです。図書館の世界では「参考図書」とか「レファレンスブック」と呼ばれています。
ライターとして活躍している著者が、各ジャンルから厳選したという「使える」レファレンスブックを紹介している本です。この本自身は、レファレンスブックを探すためのレファレンスブックと言えます。
取り上げられているラインナップを見ると、『問題な日本語』とか『民族世界地図』といった、私が(ていうかおそらく多くの図書館員が)レファレンスブックとは考えていなかった本が少なからず入っているのが面白く感じました。私はそれらは読み物として読みましたが、あらためて言われてみれば、レファレンス的にも使えないことはない。
それらをレファレンスブックと考えないのは、レファレンスブックの条件として、「引くため」に使う、というだけでなく、引くための索引なり目次なりがしっかりしているというのがあると思うのです。上で挙げたような本は索引がなく、必要な部分を引こうと思ったら、目次をはじめから見て探し出すしかありません。それはこの本自身にも言えることで、索引が書名索引しかついておらず、目次の章立ても「先達の智恵袋」「あれこれ比較する」など漠然としてます。このあたりが、レファレンスブックとしては今ひとつなのです。
レファレンスブックを探すためのレファレンスブックとして、私が仕事でも個人的にもよく使うのはこちらの本ですが、
情報源としてのレファレンスブックス

情報源としてのレファレンスブックス

この本の索引は、書名索引以外に事項索引というのがあって、普通名詞からそれを調べるためのレファレンスブックにたどりつくことができます。たとえば「評論家」で引くと『現代日本執筆者大事典』があることが分かります。また、章立ても「歴史・日時の情報源」「人物・人名の情報源」など主題から見たもので、直感的にはこちらの方が引きやすいのではないでしょうか。
ま、ともあれ、このクラスの方がこういう本を書いてくださるのは、ひじょうにありがたい。http://d.hatena.ne.jp/sinngetu/20041024/p1で書いていたことが、まんざら妄想でもなくなってきたかというか。